見るまえに跳べ
危険の感覚が消え失せてはならない
たとえここからはどんなに緩やかに見えようと
君の行く道は短く険しいのだ
見たいなら見るがいい、でも君は跳ばなくてはいけない〜 W.H.オーデン
さあ、4月に入って新しい年が始まりました。
暖かくなり、花が咲き始めて、体も軽くなるこの季節。
年度始めに当たって、今年こそは『◯◯しよう!』と決意を新たにしている方も多いと思います。
そこで今回は
詩人、W.H.オーデン「背中を押してくれる4つのすてきコトバ」
をご紹介します。
W.H.オーデンとは
ウィンスタン・ヒュー・オーデンは1907(明治40)年、イギリス生まれ。のちにアメリカに移住した20世紀を代表する詩人の一人です。
通称『20世紀最大の詩人』 なんだか凄そうですね。
見る前に跳べ!
そのコトバは「石橋を叩いて渡るな!」とメッセージを送っているようです。
「着地地点を確認せずに飛び出せ!」と言っています。
なぜでしょう。
それは、「迷う」からではないでしょうか?
失敗を恐れ始めることを迷う。
手段の選択に迷う。
迷うかもしれないと恐れる。
そして、その思考が決意と感覚を鈍らせる。
まだ、なにも始めていないのに。
だったら、跳んでしまえ!
とオーデンは背中を「ドン!」と強く押します。
「見るまえに跳べ」というコトバの中には『先を歩んだ者としての優しさ』を感じます。誰の心にも潜む「弱さ」を知っているからこそのコトバだと思いました。
心に響くすてきな詩です。
『最初の一歩』を導くコトバ
立ち上がって たたみなさい 君の悲嘆の地図を
地図というコトバにいろんな状況や意味が込められているように思います。
自分の居場所や行くべき方向が見えないからこそ開いている地図。
地図を見るあまり周りが見えなくなっている自分。
恋愛に、人生に迷った時、このコトバは最初の一歩を導いてくれます。
この詩をメモ帳にササッと書いて小さく折りたたんでとても辛い思いを抱えている人のポケットにそっと入れてあげたい、さりげなく贈りたいコトバです。
「苦い」があって「甘い」がある。
君の心の庭に辛抱を植えたまえ。その根は苦いが、実は甘い。
自分の意思で「辛抱の木」を植えることが大事なのではないでしょうか。
誰かに植えつけられたり、勝手に生えてきたりではないのです。
報われない努力や苦労があります。その先に果実が実るなんて思えないこともあります。
しかし、花を咲かせ果実を実らせるには根っこが必要なんです。
大切なのは土の下にあって見えない「根っこ」なんです。
自己管理とは「時間を操る」こと
聡明な人間の日課は、大志の表れである。
オーデンはたいへん自分に厳しい人物だったそうです。 毎日、決まった時間に決まった行動をすることによって自己管理を徹底していました。
自分の弱さを知っているからこそのコトバだと思います。
いかがでしたか?
オーデンさんのコトバはあなたのこころにどんなメッセージを残したのでしょうか?
僕にとってオーデンさんのコトバは、「背中に感じたやさしい手のぬくもり」でした。
私もオーデンさんのように「己をよく知り、己をコントロールできる」人物になりたいと思います。
日本を代表するノーベル賞作家、大江健三郎さんの著書「見るまえに跳べ」には冒頭の詩を引用した一節があるようです。オーデンさんの詩集と併せて読んでみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます!
皆さんにとってハッピーな1日になりますように。
すてきコトバが届きますように。