名前は『ナガミヒナゲシ』|道端に咲く可愛らしいオレンジ色の花の実態

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数年前から気になっていたんです。

道端に咲く可愛らしいあの花。

道路脇やアスファルトの割れ目でけなげに揺れるオレンジ色。

花言葉は「心の平静」「なぐさめ」「癒し」。

優しそうでほんと可愛くて大好きなんだけど、最近どうやら嫌われているらしい。

なぜそんなに嫌うの?

気になったので調べてみました。

そこで今回は

ナガミヒナゲシ|道端に咲く可愛らしいオレンジ色の花の実態

をご紹介します。

 

ナガミヒナゲシとは?

ここ数年、道端でよく見かけませんか?オレンジ色でポピーにそっくりな花。それが「ナガミヒナゲシ」。

原産は地中海沿岸、ケシ科ケシ属の1年草でポピー(ヒナゲシ)と同じケシの仲間です。

4~5月頃にオレンジ色の花を咲かせ、果実が細長いことからこの名前がつけられたとされています。英語でも「Long-headed poppy」頭の長いポピーと呼ばれていますが、植物学上の名前はラテン語で「Papaver dubium」パパーウェル・ドゥピウム=「疑わしいポピー」と呼ばれています。

れっきとしたポピーの仲間なのに「疑わしい」とは…。

疑わしいのなら別の名前をつけてあげればよかったのに、「そっくりさん扱い」なんてかわいそうな気がします。

ナガミヒナゲシ(wikipediaより引用)

ヒナゲシとはどこが違うの?

道端に多く生息することから雑草扱いのナガミヒナゲシですが、園芸種であるヒナゲシと見た目はとても良く似ています。。「そっくりさん扱い」されるだけのことはあります。

では、どのようにして見分ければよいのでしょうか?ポイントは3つあります。

  • ヒナゲシより花が小さめ
  • 色が薄め
  • 果実が長め

どうやら花のときにはわかりづらいようですね。

「これはヒナゲシか?ナガミヒナゲシか?どっちだ?」

「そうですねぇ。若干ヒナゲシより花が小さいような気がしますが…。あと、色もじゃっかん薄い気がします。」

「そうかなぁ。はっきりせんなぁ。」

「ん〜、疑わしいですね。花が終わらないとわかんないですね。」

こんな会話が聞こえてきそうです。

 

都会のほうが多く見られるワケ

最近では日本全国で見られるようになったナガミヒナゲシですが、日本で最初に発見されたのは1961年東京都世田谷区でした。もともと園芸種として輸入されたものではなく、輸入作物にその種子が混じっていたことから広まったようです。また生育場所を選ばないため道端に落ちた種子が自動車のタイヤにくっついて運ばれたと推測されています。

要するに舗装道路のほうが種子を拡散しやすいため都市部でたくさん見られるようになったといえそうですね。それに舗装道路のほうが冬暖かいため越冬しやすいのかもしれません。

アスファルトの隙間でも花を咲かせる

強い繁殖力

ナガミヒナゲシの繁殖は生命力の強さだけではなく、種子の多さも大きな要因です。

1つの果実には1000~2000粒ほどの種子が入っています。小さなものを「芥子粒(けしつぶ)ほどの」といった比喩表現をしますが、ナガミヒナゲシの種子はケシ科の中でも小さい方なのでより遠くへ広がりやすいのです。

一房で2000粒。ここだけで数万個の種が放出される。

土壌を選ばない強さと合理的な拡散方法、これで爆発的に増えないわけがありません。

こちらのサイトではナガミヒナゲシの種子について詳しい画像がありますのでご参考になさってください。

ナガミヒナゲシ

 

周囲への影響

繁殖力旺盛なナガミヒナゲシが群生することによって他の植物への影響があることは、ここ最近の「悪者扱い」をみればよくわかります。

では、どのような影響があるのでしょうか?

それはナガミヒナゲシの持つアレロパシー活性による影響。さらにはその強い生命力によって、そばに生えている草花の光合成を阻害するというものです。

アレロパシーとは、ある植物が作る化学物質が、他の植物・微生物・昆虫・動物などに、直接または間接的になんらかの作用を及ぼす現象のことをいいます。

そういった要素があることは認められていますが、その影響力がいかほどのものなのかは、まだはっきりと分かっていません。

ですから「ナガミヒナゲシがアレロパシー活性によって他植物を駆逐してゆく」との極端な見方をせず、冷静に見守ることが大切だと思います。

 

地方自治体も注意を呼びかける

つくば市や新座市をはじめとする自治体もナガミヒナゲシに対する注意喚起をよびかけていました。また、国立環境研究所の「侵入生物データベース」にもしっかり掲載されています。

ナガミヒナゲシ / 国立環境研究所 侵入生物DB

まるで指名手配されているかのようでかわいそうになってしまいます。

 

抜くときはちょっと注意が必要

ケシの果実には毒性があり麻薬の「アヘン」の原料となることが知られています。では、ナガミヒナゲシにも毒性があるのでしょうか?

答えはYESです。

ただし、アヘンの成分は含んでいません。また種子には毒性はないとのことです。

ケシ科の植物の茎や果実に切り目を入れると白い乳液がでてきます。この乳液にはアルカロイドという成分が含まれており、それが直接皮膚に触れると炎症を起こす可能性があります。

ですから、ナガミヒナゲシにかぎらずケシ科の植物を触るときは手袋をしたほうが安全です。とくにお子さんは気をつけてあげたほうが良いでしょう。

 

それでもカワイイから

遠く地中海からやってきて日本の環境に適応したナガミヒナゲシ。

爆発的な繁殖力から悪者扱いされていますが、ただ日本の環境に馴染んだだけのこと。

道端に揺れる可憐な姿にこころ和ませたひとも多いはずです。

そもそもこの地球は植物の星。人類はその中に生きているにすぎません。

排除とか根絶などと我々が言うのはおかしな話だと思います。

 

東京農工大大学院の藤井義晴教授はこう語ります。

「外来植物でも日本の環境に受け入れられたものを『帰化植物』と呼ぶ。ナガミヒナゲシはこれ以上増えないように制御は必要だが、帰化植物としてうまく共存できるといいのでは」

2017.6.2産経ニュースより引用

 

「よく日本の気候に適応したね。」

次にナガミヒナゲシを見かけたときは、そう言ってホメてあげたいと思います。


いかがでしたか?

『ナガミヒナゲシ|道端に咲く可愛らしいオレンジ色の花の実態』

道端に咲くオレンジ色の可愛い花。

この花を見ても悪者扱いしないでね。

そっくりさん扱いしないでね。

名前を「ナガミヒナゲシ」といいます。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

皆さんにとってハッピーな1日が訪れますように ♪


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