ホットドッグは、原価がいくらであろうと5クローネで売ることに意義がある
〜 IKEA創業者 イングヴァル・カンプラード
各地で桜の開花が発表され春はすぐ目の前まで来ています。新しい年度を目前に何かと準備に追われる季節。入学や就職のために新生活を始める方もたくさんいらっしゃいます。新しい家具や道具を揃えるため、IKEAやニトリに足を運ぶ方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は
『IKEA創業者イングヴァル・カンプラードの名言5つ』
をご紹介します。
IKEA(イケア)とは
1943年にスウェーデンでイングヴァル・カンプラードによって創業されました。「より快適な毎日を、より多くの方々に」という企業ビジョンをかかげ、日本でも8店舗を展開する世界最大級の家具屋さんです。
IKEAの由来は創業者の名前「Ingvar Kamprad」と彼が育ったスウェーデンの「Agunnaryd」(アグナリッド)村の「Elmtaryd」(エルムタリッド)という農場の名前から頭文字をとったものです。
北欧デザインと呼ばれる「シンプルかつ機能的」な家具は洗練されていてオシャレなイメージのあるIKEA。家具やインテリアだけではなく店内にはスウェーデン料理を揃えたレストランを併設しています。そのどれもが安くておいしい。冒頭でご紹介した5クローネ(約100円)のホットドックはその目玉として大人気です。
品揃えこそ、われわれ本来の仕事だ。
そのコトバ通り、IKEAは圧倒的な品揃えで他を圧倒しています。
創業者カンプラードの挑戦
カンプラードは1926年スウェーデンに生まれ、5歳にしてマッチの販売を始めます。その後も、果実や魚、園芸用の種を販売するなど商才を発揮します。なぜ、5歳の子供が商売を?と思いますが、当時1920~30年代のスウェーデンが経済的に貧しかったという背景があるようです。
1943年、17歳で小さな雑貨屋さんを始めました。店の名は「IKEA」。当時はカタログを使った通信販売で扱う商品も多岐にわたっていました。そんな中、カンプラードは日用品としての家具に需要があることに気づきます。安くで家具を仕入れることができたおかげで彼の事業は拡大しました。
しかし、通信販売は競争相手が多く価格破壊や粗悪品の流通などがあり業界そのものの信用が低下したのです。そこでカンプラードは実際のお客さんに見て触ってもらえる店舗作りを始めます。
大衆の求めるものとはなんなのか??私の答えは、常に普通の人たちのそばにいろ、ということだ。というのも、もともと私自身がその普通の人だからだ。
カンプラードが作った家具の展示場。 それまで実業家として順調に成果を上げてきましたが新しいお店に果たして人々は集まってくれるのだろうか? 不安な気持ちでいっぱいの彼は一つのアイデアを思いつきます。わざわざ足を運んでくれたお客さんに『無料でコーヒーとパンを振る舞おう』。
このアイデアは功を奏し開店前には1000人を超えるお客さんが列を作ったといいます。
北欧から世界の「IKEA」へ
家具の展示場は大盛況。カンプラードは家具を売ることよりも、来てくれたお客さんに報いようと奉仕しようとしました。その「想い」が伝わったのではないでしょうか? まさに『おもてなし』の精神です。彼は無料で振る舞ったコーヒーとパンでその「想い」を表現しました。
その後、成長をつづけたIKEAですが成功の代償として同業他社からの圧力を受けることになります。取引先が家具を供給してくれなくなったり、家具の見本市から締め出されたり。そこでIKEAは自前で家具をデザイン製造し始めます。
一つに集中することが成功の秘訣
『安価で良質な家具を多くの人々に届ける』自らの哲学に従いそれを実践することでカンプラードは苦境をチャンスに変えました。
家具を卸してくれないのなら、自社で作ればいい。この苦境がなければ現在のIKEAはなかったかもしれません。
その後、IKEAは家具を自家用車で運べるよう分解し小さくした「フラットパック」を開発します。これも自社設計の賜物ではないでしょうか。
運びやすくなった家具は国内はもとよりヨーロッパ全土に広く知れ渡るようになりました。
簡素化は美徳である。
北欧デザインの特徴はシンプルで機能的。この言葉が何よりの象徴です。
シンプルだからこそ飽きがこないし、自分色に染めることもできる。シンプルだから使い方もアレンジできる。さらには、組み立てる喜びが上乗せされているIKEAの家具。
家具を組み立てながら「イングヴァル・カンプラード」さんのことを思い出すあなたに素敵な春が訪れますように。
2018年1月27日 イングヴァル・カンプラードさんは故郷のスウェーデンで91歳の生涯を終えました。家具業界のみならず流通そのものに革命をもたらしたカンプラードさん。
お安らかに眠りください。
ありがとう。
いかがでしたか?
『IKEA創業者 イングヴァル・カンプラード5つのコトバ』
どのコトバもシンプルでわかりやすいものばかりでした。だからこそ、いつも忘れずに心に残るのかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今日という日が皆さんにとってハッピーな1日でありますように。
また、お会いしましょう!