民進党代表の蓮舫さん、ここ最近『二重国籍問題』でまた騒がれています。
なんでまた、今頃になって蒸し返しているのかよくわからないんですが。
民進党、その前に
現在、自民党は問題だらけ。穴だらけの、隙だらけといった状況です。
森友学園の「国有地払い下げ問題」に加計学園の「獣医学部新設問題」を中心に復興大臣や防衛大臣の不適切発言やら法務大臣の答弁能力のなさとか、その他もろもろ挙げだすとキリがありません。
共謀罪のように慎重に議論を重ねるべき法律。それを『30時間』という根拠のない制限時間をもうけ、オリンピック開催を人質にして強行採決する横暴な国会運営。
ツッコミどころ満載に加えて安倍首相のいい加減な国会答弁。「詳しくは読売新聞を読んで」だとか「そもそも」というコトバを「辞書で調べた」と述べた割には『どの辞書にも載ってない』問題。
沖縄の米軍基地問題で露呈した「アメリカファースト」な政策。
思いつくままに色々書き出してみただけなので多少間違いはあるかもしれませんが、このゆるゆる感はなんなんでしょう?
こんな与党ですから突っ込まれて当然なのですが、野党が必死になって突っ込んでる姿も痛々しい。だって、『安倍おろし』それがゴールになっているから。
与党は、大切な法律はちゃっちゃと済ませようと言わんばかりに強引に成立・施行させ、問題はうやむやにごまかして、野党は、問題点をあげるだけでその先がなく、結果的に、「大臣やめろ、安倍やめろ」と騒ぐだけという構図。
いい加減にしろ〜! あんたたちはどこ向いてんの〜? 自分の足元ばかり見ずにちゃんと国民に向き合えよ!!
と、納税者としては怒りを隠せなくなっているのです。
民進党の無責任問題
ごめんなさい。いろいろ愚痴ってしまい話がそれてしまいました。
蓮舫さんの二重国籍問題についてちょっと述べたいことがあったのです。
なんでそんなに問題視されて『戸籍を公開』という方向になったのか?
なんで、プライバシーをさらされなくちゃいけないのか?
そこまでさせられる理由がまるでわからないんです。
結果的には、そんなことにはならなかったのでよかったと思いますが…。
ボクは政治家志望でもなければ弁護士、アナリストや記者ではありません。ものすごく地味で普通の国民であり、納税者です。
だから、同じ疑問を持つ人も多いんじゃないかなぁと思っています。
東京都議選で自民党が自滅する形で「都民ファーストの会」が大幅に議席数を伸ばしました。旧態依然とした体制の自民党都議連と安倍政権の緩んだ政治姿勢に怒りを感じたり、うんざりした都民の意思表示。それが結果として都民ファーストの会躍進につながったのです。
ここでなんの話題にもならず、密かに議席数を大幅に減らした政党がありました。
それが、「民進党」です。
民進党が都民の不満の受け皿になれなかったのが原因です。
「おい、自民党をなんとかしてくれよ。民進党さん」とはならなかったのです。
選挙で敗北を喫すると必ず「責任問題」が浮上します。
何が悪くて、何が良かったのか、を検証する必要があります。そして、改善点をリストアップし、実行する。そして検証する。これを繰り返すことによって『前進』するわけです。
民進党の党首は蓮舫さんですから追求されるのは当然です。
しかし、その内容は政策や憲法改憲への党としての姿勢など「中味」に対する検証と反省はなく(もちろんしているのでしょうが)、蓮舫さんの二重国籍問題が民進党の印象を悪くしたんじゃないか?というような声が、責任問題を無責任なものにしています。
要するに、蓮舫さんは身内から足元をグラグラと揺さぶられているわけです。
その先に一体何があるんでしょうか?
蓮舫さんが代表をやめればそれでいいんでしょうか?
これは責任を問う問題ではなく、無責任な問題提起だと思います。
これまでの流れをまとめてみた
蓮舫さんの二重国籍の経緯をまとめてみました。
● 1967年、日本で生まれる。父親は台湾人、母親は日本人。
その当時の日本の法律では父親の国籍しか取得できない状況だったため台湾籍でした。
● 1972年、日本と台湾が国交を断行。そのため以降は中国籍となる。
● 1985年、国籍法が改正。17歳の時、日本国籍を取得。(この時点で中国籍は自動消滅?)
この時期、台湾国籍放棄の手続きをした。と蓮舫さんは証言している。
● 2016年9月、「1985年の台湾籍放棄の手続きが、どのように扱われたかがわからない」との趣旨の発言をする。
● 2016年9月、指摘を受けて台湾に国籍の有無を問い合わせたところ、戸籍が残っているとの回答があった。
● 2016年9月、台湾籍放棄の手続きが完了する。
● 2017年7月、再び国籍問題が追求される。
蓮舫さんは生まれた時の国籍法や台湾と中国と国交に翻弄されました。さらにまとめるとこうなります。
1、誕生 → 台湾籍
2、日本台湾の国交がなくなる → 中国籍になる & 台湾籍が残る
3、日本籍を取得 → 日本籍 & 残った台湾籍(中国籍は自動消滅)
4、台湾籍放棄の手続きをする → 日本籍&台湾籍(手続きされず?)
5、再度、台湾籍放棄の手続きをする → 日本籍
蓮舫さんの証言が間違いでないのなら、こういった流れです。しかし、4の台湾国籍放棄の手続きがうまくいっておらず、その確認ができていなかったことが現在の追求に繋がっているようです。
ここで不思議なのが二重国籍になった時、中国籍は「自動的に消滅」し、台湾籍は「ずっと残っていた」という点です。
国籍法がちがう
法務省のホームページには国籍の選択についてこんな記述があります。
1.国籍の選択について
日本の国籍と外国の国籍を有する人(重国籍者)は,一定の期限までにいずれかの国籍を選択する必要があります(国籍法第14条第1項)。
「二重国籍の人はどちらかの国籍を選んでね。」といっています。
蓮舫さんは1985年にその手続きをして、日本国籍を取得しました。
17歳の蓮舫さんは「これでオールクリア!」 そう思ったはずです。
ところが各国によって国籍法は違います。
台湾・中国、では国籍法が違うのです。
重国籍の人が外国(今回の件では日本)籍を選択した場合
中国では自動的に中国籍が喪失されたとみなされます。
ところが台湾では、国籍離脱の手続きをしないと国籍は消滅しないのです。
二重じゃダメなんですか?
先にも紹介しましたが国籍法によって重国籍者はどちらかの国籍を選択しなければなりません。
もし、日本籍を選択した場合、国籍法16条1項によると『外国の国籍を離脱するよう努力すること』となっています。
そう、『努力すること』であり義務ではないのです。
「ダメ…ってゆうか、二重にならないように頑張ってね。」といったところでしょうか?
法律違反とかそういったことではない、割とグレーな感じになっています。
じゃあ、何が問題なんですか?
正直なところ、よくわかりませんね。
前述した経緯はあくまでも『蓮舫さんの証言が正しければ』という前提に基づいているので、その証言が虚偽だった場合、問題は大きいと思います。
追求されるということは、もしかしたら、過去の発言と食い違いがあるのかもしれません。
蓮舫さんは、この問題を最初に追求された時「意味がわからない」といって強気な態度で一蹴しました。「台湾籍は放棄した」と断言しました。
その数日後「現在台湾側に確認してもらっているがいつ返答が来るのかわからない」と言い出して、台湾国籍放棄の書類を再提出するなどブレた姿勢がみられました。
そして、最終的には「台湾籍残ってました。」となるわけです。
根拠のない強気な姿勢が全部裏目に出た格好です。
しかし現在、国籍問題はクリアになったわけですから今更追求するのは、与党の「単なる腹いせ」にしか見えません。
この問題で、蓮舫さんは初動を間違えてしまいました。その姿勢をみて民進党議員に「この人に野党第一党の代表を任せていいのだろうか?」という疑問が湧いたのではないかと思うのです。
『政治家としての資質』の底が見えてしまった思いがあったからこそ、身内からも問題視する声が出てきたのではないでしょうか?
結局のところ、法律的に問題があるというより、資質に問題ありとみなされているんだとボクは思いました。
コトバを発すること自体は難しいことではありませんが、時としてブーメランのように自分の首筋に向かって背後から飛んで帰ってくることがあります。
「意味がわかりません」
政治家ならばコトバの持つ力も怖さもご存知だったと思うのですが…。