『僕のピアノコンチェルト』|迷って決断できない、そんなときに観てほしい映画。

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おじいちゃんが大切にしていた帽子を小川の向こうに投げた。

悩める天才ピアニスト・ヴィトスに伝えたかったことはたったひとつ。

それは「勇気の持ち方」だった。


『僕のピアノコンチェルト』

★★★★☆(星4つ)

VITUS/2006/スイス

監督:フレディ・M・ムーラー

出演:テオ・ゲオルギュー、ブルーノ・ガンツ


あらすじ

モーツァルトのようにピアノを弾き、アインシュタインのように 数学の才能を持って生まれてきた少年、ヴィトスの物語。 多くの才能をもって生まれたヴィトスは、両親の期待に沿って生きるべきなのか それとも自分自身から湧き上がる気持ちに身をゆだねるべきなのか悩む。 周囲のプレッシャーと葛藤するなかで 唯一の友であるおじいちゃん(ブルーノ・ガンツ)から 「決心がつかなければ、大事なものを手放してみろ」と大胆なアドバイスを受ける。 ヴィトスはそれを実行に移すため、ある行動に出るのだが……。

天才少年ヴィトスの成長物語

IQ180という天才少年ヴィトス。ピアノの才能ははもちろん、音楽以外にもその才能を発揮し、周囲からは羨望の眼差しで見られ、大人たちからは期待を一身に受けます。

その才能あるがゆえに、ヴィトスは周囲からの疎外感と孤独を胸に秘めていました。心を許せる人はただひとり、家具職人であるおじいちゃん。「普通がいい」と本心を打ち明けるヴィトスとおじいちゃんのやり取りがなんとも穏やかで優しい気持ちにさせてくれます。

おじいちゃんとの間に流れる穏やかな時間。ヴィトスは人生の大切なことを教えてもらいながら次第にプレッシャーから解き放たれていきます。優しくも大胆なコトバを受け、ヴィトスは大きな行動を起こします。

みどころは「演奏の変化」

ヴィトスという天才少年を演じたのはテオ・ゲオルギュー。
作品中のピアノ演奏はすべてテオ・ゲオルギューが演奏しています。これには正直驚きました。天才子役は天才ピアニストでもありました。演じているときにもヴィトスの気持ちがよく理解できたのではないでしょうか。
モーツァルト、シューマン、リストなどの名曲たちが堪能できるのでピアノ好きな人は必見の本作品。悩みを抱えるヴィトスの演奏は、最初テクニック主体のちょっと鼻につく演奏に感じられました。良くいえば「クールな演奏」なのですが、その才能を剣のように振りかざしている印象です。
ある時、ヴィトスはおじいちゃんのアドバイスを受け、あるものを手放します。そして、事件を起こします。それからは演奏のテイストが徐々に変わっていく気がしました。
武器を手に人の心を押さえつけるような演奏から、ピアノへの愛にあふれた優しい演奏へと変わっていきます。
天才が芸術家になった瞬間を見せてくれたテオ・ゲオルギューと監督のフレディ・M・ムーラーに感謝です。

「グランパ」は最高だった!

あと忘れてはいけないのが、ブルーノ・ガンツ演じるヴィトスのおじいちゃん。
『ベルリン~天使の詩』『ヒトラー』でおなじみの方が多いのではないでしょうか。
おじいちゃんが終始いい味だしてます。
ある日、おじいちゃんはヴィトスと森の中を散歩しながら彼の悩みを聴いていました。
ヴィトス:「ぼくはどうすればいいんだろう。」
おじいちゃん:「そうだな。人生の見方を変たければ、一番大切なものを投げ捨てて見るんだ。一番大切なものを捨ててしまえば、きっと新しい何かが見えてくるもんだよ。」
おじいちゃんはそう言って、自分の大事にしていた帽子を小川の向こう岸まで投げ飛ばして捨ててしまいました。

「決心がつかなければ、大切なものを手放してみる。」

そのコトバによってヴィトスは自分にとって何が大切なのか、何を捨てるべきなのかを真剣に考え始めるのです。

勇気ある行動が新たな自分を呼び覚ましてくれる。。。

おじいちゃんが投げた帽子は、ヴィトスの悩みであり、これから飛躍するヴィトスを表しているように思いました。
この作品で最も印象に残った一場面です。
この作品を見終わったあと、おじいちゃんのコトバが体中を駆け巡ってました!

いかがでしたか?

映画『僕のピアノコンチェルト』は天才ヴィトス少年の心の成長を描いた心温まる作品でしたがそれと同時にとてもたくさんの『勇気』を与えてくれた作品でもあります。

「決心がつかなければ、大切なものを手放してみなさい」

このコトバは生涯に渡ってボクの心を勇気づけ、迷った時の羅針盤となるでしょう。

ずっと手元に置いていたい作品がまたひとつ増えました。

この作品との出会いに感謝します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた別の作品でお会いしましょう。

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