今回はフリーメイソン。んま~、面白かったです。
ダン・ブラウン作品の中では1番じゃないでしょうか。
★★★★☆
『ロスト・シンボル』
著者:ダン・ブラウン
出版社:角川書店(2012/8/25)
あらすじ
世界最大の秘密結社、フリーメイソン。その最高位である歴史学者のピーター・ソロモンに代理で基調講演を頼まれたラングドンは、ワシントンDCへと向かう。しかし会場であるはずの連邦議会議事堂の“ロタンダ”でラングドンを待ち受けていたのは、ピーターの切断された右手首だった!そこには第一の暗号が。ピーターからあるものを託されたラングドンは、CIA保安局局長から、国家の安全保障に関わる暗号解読を依頼されるが。
(「BOOK」データベースより)
科学と神秘主義は密接に結びついていて、両者の違いは単にアプローチの仕方でしかない。
めざすところは同じだけど、手法が異なるというわけ。
ラングドン教授の12時間
今回の舞台はアメリカ・ワシントン。
フリーメイソンの思想や活動を通じて、科学や宗教についての考察を
深く掘り下げている作品です。
そこに「24」ばりのドキドキ、ヒヤヒヤの連続。
物語はラングドン教授の12時間を描いています。
その12時間で、いろいろな事件が起きる訳ですが登場人物が少なく、密接にかかわり合っているためストーリー展開はとても明快です。
その分難しくなりがちな、科学や宗教の根源にまつわる話に集中できました。
ある考えが広く受け入れられているからといって、
それが真実である証拠にはならない。
小説? いや自己啓発の書だ
これから読もうとする方のために、これ以上は具体的内容には触れませんが、今回の作品はただの小説ではありません。
とても哲学的なセリフが多く、そのことをじっくり考えてみながら読めてみるとだんだん本質が見えてきます。
そして、生きるためのヒントがあちらこちらに見られます。
この作品は、哲学書であり、自己啓発書でもあります。
小説という形態を利用した人生の指南書です。
偏見にとらわれないことだ、諸君。わたしたちはみな、理解していないものを恐れる。
本書の最後、ワシントンに太陽が昇ってきた時、奇しくもラングドン教授と同じ「希望」という光を感じることが出来たのは、そう言うことなんだと思うんです。
よくある平坦なありふれた自己啓発本より、この小説は強く心に訴えるものがあり「目からうろこ」が落ちるような、すっきりしたメッセージを残してくれる良書です。
映画化はまだか?
映画化も決まっているようですね。
もちろんトム・ハンクス主演です。
監督は予定されていたロン・ハワード監督が降板したとのニュースがありましたがその後、どうなったんでしょう?
ロスト・シンボルの後に発表された「インフェルノ」が先に映画化されたことから考えるとふフリーメイソンから圧力がかかっているとも想像できます。
いずれにせよ誰が監督を務めるにしても「天使と悪魔」の時みたいに原作を台無しにするようなことにならないことを祈ります^^;
今回ご紹介した作品
いかがでしたか?
『ロスト・シンボルは』は ラングドン教授の学問や人生に対する哲学を垣間見せてくれる冒険小説でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた別の作品でお会いしましょう。