あいつと一緒に座って星を眺めたい。
ずっと昔にわしらがそうしていたようにな。
アルヴィン爺さんのこの言葉が印象的でした。
そして、泣けました。
デヴィッド・リンチ監督
『ストレイト・ストーリー』
The Straight Story/1999年/America
★★★★★
あらすじ
1994年にＮＹタイムズに掲載された実話を基に 「ツイン・ピークス」のデヴィッド・リンチ監督がユーモアとペーソス溢れるタッチで描いた感動作。 アメリカ・アイオワ州ローレンスに住む73歳のガンコな老人アルヴィン・ストレイト。 ある日、彼のもとに、76歳の兄が心臓発作で倒れたという知らせが入る。 10年来仲違いをしていた兄に会うため、アルヴィンは周囲の反対を押し切り たったひとりで時速８kmのトラクターに乗って旅に出ることを決意する。
老人のロードムービー
お金がないから車で行けないし、そもそも免許すら持っていない。
この旅は自分自身でしなければいけないんだ。わかってくれるな、ローズ。
無駄のない究極のタイトル
アルヴィン爺さんの名前は「アルヴィン・ストレイト」
原題の「The Straight Story」は「ストレイトさんの物語」というタイトルです。
Straight には「まっすぐな」という意味の他に「正直な」「筋の通った」「誠意のある」という意味があります。
アルヴィンの名前そのものが、この作品のテーマと、アルヴィンの性格を表しています。アルヴィン爺さんが旅するまっすぐな道も、名前も、生き様もすべてこのシンプルなタイトルが表現しているように思います。
とにかく美しい映像と音
映像の美しさは「ツイン・ピークス」を彷彿させます。
果てしなく続くまっすぐな道
広大なとうもろこし畑
その中をのろのろ走るトラクター。
その映像の奥行きと一人の老人というコントラストが、アルヴィン爺さんの可愛らしさを際立たせています。
まっすぐな道はアルヴィン爺さんそのものをあらわしているようです。
また、タイトルバックに使用されているきれいな星空が、本編で実に効果的に使用されていて心地よかったです。
ついでにゆうとスライドギターのサウンドがさらに心地よくしてくれました。
静かな優しいロードムービー…。
ず～っと手元に置いておきたい作品です♪
愛おしいコトバの数々
とてもセリフが少ないのでアルヴィン爺さんの表情や、美しい映像に込められた思いなどがダイレクトに感じられます。
また、セリフの一つ一つがとても大切に扱われているというか、無駄なコトバがありません。
年をとってよかった事は
経験を積んで実と殻の区別がつくようになった事だ。
年をとって最悪なのは
若かった時を覚えている事だ。
デヴィッド・リンチ監督ってこんな作品作れるんですね。
すごい！！
引退がホントに惜しまれます。
DVD
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ブルーレイ
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いかがでしたか？
デビッド・リンチ監督『ストレイト・ストーリー』は
シンプルの中にある究極の美しさを描いた静かなロードムービーでした。
この作品との出会いに感謝します。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた別の作品でお会いしましょう。
